リハビリ開始と掃除のおばさん
2020年4月6日
昨夜は消灯前くらいに急患の方が隣に運び込まれて、深夜の2時頃まで慌ただしかったICU。当直の看護師さんからお騒がせしましたと夜中にお詫びを言われ、大丈夫ですよと言葉を返した。
今日からベッドのリクライニングを自分で操作出来るようになり、リハビリも開始となった。只、リハビリと言っても、背もたれを倒せばベッド程の大きさになる車椅子にリハビリの先生4人がかりで載せられ、背もたれを上げてその上に1時間位座るという程度。それでもここに来て初めてベッドから出る事が出来て、気分転換にはちょうど良かった。
リハビリで座る前に左足の処置があり、研修医さん2人もぎこちない手付きで付け替えのアシスタントを行ってくれ、リハビリが終わった後は担当の先生とともに採血に来た。
実習なのだろうか、採血する場所が手ではなく足の付け根辺りで採られた。まず担当の先生が、左足の方から脈の探し方と針の入れ方みたいなのを説明しながら採血された。続いて右足は研修医の先生1人が、先に採血した担当の先生のようにやってみても中々脈を見つける事が出来ず、最終的に担当の先生が介助する事で採血する事が出来た。時間がかかってしまいすみません、と担当の先生と研修医の先生から言われたので、コードブルーの山Pみたいな先生はいませんよ、と冗談で返した。
リハビリで座ってると、掃除のおばさんが廊下をモップで拭きながら話しかけてきた。昨日までは挨拶程度で終わっていたのだが、ベッドから出て来られるようになったんだねぁ、と感慨深い様子で言ってくれた。これ以降、自分がICUを出るまで掃除のおばさんと世間話をするのが日課となった。
看護師さん曰く、ICUではよく喋るおばさんとして有名らしく、確かに耳を澄ませば他の患者さんにも声をかけてるようだった。このあとおばさんから聞いたのだが、自分以外は声をかけても殆ど返事がないので、独り言を言ってるようで恥ずかしくなる事があるらしい。それでもやってるのは、意識のはっきりしない患者さんでも、話しかける事で状態が良くなったりする事があるから、と言っていた。ここにこうやって入院記録を書こうと思ったのもこのおばさんのお陰である。このおばさんにも御礼参りに上がりたいと思っている。
