何も情報のない世界①
2020年4月4日
起きてるのか寝てるのか解らない中、部屋にまた明かりが灯った。
多分6時位なんだろうなと思いながらボーッと天井を眺めてると、看護師さんが点滴と検温にやってきた。
今が大体6時半だと言うので、ここの起床時間は6時なんだなと認識し、点滴の邪魔にならないようジッとしていた。
点滴が終わった頃、朝食が来た。
ここに来て口にしたものが、昨日の嚥下の検査で食べたゼリーだけだったので丸々2日ぶりの食事だった。
全部食べたいところだったけど、殆ど動いていないのと、お粥が中々重たくて半分食べるのがやっとだった。
食事を片付けてもらい、薬と歯磨きが終わる頃に担当の先生が来て、痛みの度合いやどれくらい食事を食べたかを聞かれ、とにかく気になる事があったらすぐに看護師さんや自分に伝えて欲しいと昨日言われた事を念押しされた。
その後看護師さんが夜勤と入れ替わりで挨拶に来られた。
昨夜の担当の看護師さんもそうだったが、今回も男性の看護師さん。
聞いたら救命センターは必然的に腕力が必要となる事が多いので、病棟とは違い3割程度男性看護師さんが配属しているとの事。
女性の看護師さんもやはり体力勝負になる事が多いからなのか、眼鏡がないのではっきりとは言えないが、若いスタッフが多い気がした。
その後リハビリの先生が2人来て、来週から少しづつリハビリを始め、先ずは大きな車椅子に乗る事から行いますとの説明を受けた。
昨日も顔を合わせていて、2人とも気さくな感じで接しやすく、1人は女性で顔はよく判らないけど、雰囲気が自分の知ってる女性に似てる気がして名前をすぐに覚える事が出来た。
そしてもう1人の男性には事実として認識しているものの、まだ左足先があるような気がして、目視でその事実を確認するのに躊躇ってる胸のうちを吐露した。
その後2人の女性看護師さんが入って来て、今から体拭きを行いますとの事。
手際よくコルセットを外し、入院服の前を開いて泡の付いたタオルで胸、お腹、腕を拭いてくれ、もう1人の看護師さんは右足を拭いてくれた後、何の抵抗もなく紙おむつのテープを外し、お尻を浮かせられますか?と聞かれたのでその様にすると、ペットシーツのようなモノを紙おむつの上に置き、腰を降ろして下さいと言われたのでその様にすると、心地よい温度のお湯を下半身にかけ、ゴム手袋を付けた手で下半身を洗い始めた。他のICUにいる患者さんは、意識があまりない中このような事をされているんだろうが、普通に意識のある自分にとって恥ずかしくて仕方なかった。顔が分かれば赤面してただろうから、ハッキリ顔が見えなくて良かったと思った。
患者としてここに入ったのは始めてなので、これがここでは当たり前なんだと理解した。
